27歳女性。下痢をしている。子供の頃からしょっちゅう下痢をしており、「体質なんだ」と諦めていた。顔色は青白く、疲れやすい。結婚して、家事をこなしきれないことに気づき、ご主人さまとご来店。週に3~4回は水様便。腹痛はあまりない。食欲あるが、量は食べられない。血圧も体温もかなり低め。
ご相談を承っていると、「ほかのひとの身体で生きたことありませんものね!」と言ってしまうことがよくあります。
この方も、「食べられている」のでご自分が胃腸が弱いとは感じてらっしゃいませんでした。しかしよくお話をうかがうと、召し上がる量も少なめで、とてもお身体を健康に保つには不足と思われました。現に、ご結婚されて、おふたり分の家事を分担してみて初めて、毎日よその奥さま方と同じだけのお仕事を片づけられない体力のなさに気づかれたのでした。
ご本人はケロリとしたものでしたが、ご主人さまが大層心配されていました。そこで奥さまはあまり気のすすまないながらも、ご主人のお気持ちを汲むかたちで、漢方薬をほんの少しだけ召し上がってみることになりました。
2週間後。
今度は奥さまおひとりでご来店されました。「びっくりしました」と。
20年以上お付き合いしている水様便が、ここ1週間ないんです、とのことでした。便は固形になり、出方もスムーズ。そして、「何だか身体が軽いような気がする」。
そうなんです。食べたり飲んだりした大切な栄養源を吸収できるようになると、便には本当に不要なものしか残らないんですね。そうすると、ちゃんと便の状態は整ってくる。
これまで無駄に外へ出ていた栄養が身体の中に入ってくるようになると、身体も当然元気になる。元気になって初めて、「ああ、わたし、今までダルかったんだ」と感じます。
この方は同じおくすりを6週間きっちり使って、その後少しずつ減量していきました。最終的に3ヶ月後、おくすりなしでも再発しないことを確認して終了となりました。
もともとお丈夫でなかった方は、ご無理なさるとまた症状が出ることがありますが、一度「元気なわたし」を体験されたこの方なら、調子を崩されてもすぐお分かりだと思います。早く気づいて早くお手当すれば、ほんの少しの手間でまたよい状態に戻れます。
「漢方って、こんなに効くんですね!」
最後にこの方のお言葉をご紹介して、この項を締めくくりたいと思います。