「どんより暗い気持ちになり、何もする気が起きない」
「未来に希望を持てない」
「ときどきイラっとしてしまい、自分でも自分を抑えられない」
………………
そんなこと、ありませんか?
何か嫌なことがあって、一時的にそういう気分になるのは、誰にでもある普通のこと。
しかしそれがしばらく続き、生活に支障をきたすのは困りものです。
こうした状態を、漢方(=中医学)では「鬱証」と名づけています。
精神医学の「うつ病」の元になった言葉ですね。
相手の気持ちを尊重する文化に生きるわれわれにとって、馴染みの深い症状です。
思わず知らず、自分の気持ちを、抑えてしまうことが多いからです。
「鬱証」とは「気」の巡りが滞って起こる不快な状態。
「気持ちがふさぐ」「情緒が不安定になる」「脇腹の辺りが張る」「怒りっぽくなったり、悲しくなったり」
……といった症状が出やすいですが、中には「のどに何か詰まった感じ」「不眠」など、いろいろ複雑な症状を併発することもあります。
ひとによって、タイミングによって、出る症状はさまざまですが、共通するのはひとつ。
「気持ちを我慢することで起きた」
ストレスに対する身体の疲れと言うことができるでしょう。
大きな悲しい出来事で起こった心因反応もこれに含みます。